6.



『いやだ…!!』

『儂の言う事が聞けんというのか?嫌ならモクバに変わってもらうか?』

義父となった男・海馬剛三郎は、残酷な笑みを浮かべて少年・瀬人を見下ろしていた。

『モクバには…!』

瀬人の顔色が変わる。

『それならば、お前がやるんだな…』

言葉と同時に瀬人の首に繋がれた鎖が乱暴に引かれ、剛三郎の前に倒れ込む。

『う…っ』

低い呻き声を出し、顔を上げると、ソファに座ったまま自分を見下ろす剛三郎の姿が目に映る。

瀬人は歯向かう事も出来ず、その前にひざまづいた。


(コレだけは…コレだけはモクバには…!)



瀬人の躯が引き寄せられる。





〔前頁〕〔次頁〕


〔目次〕
〔携帯TOP〕
〔TOP〕