3.


しかし、次にマリクは奇妙な言葉を口にした。

「ヤツがこっちに出て来たくなる様にすればイイじゃないか…」

と、再び唇を重ねてきた。
今度は先程よりも深く、求める様に舌を侵入させてくる。

湿り気を帯びた軟体動物の様に口腔を動き回る舌に、海馬の舌が触発され無意識にお互いを絡め合う。

「これで乃亜が出て来るというのか?」

海馬は唇を離すと、マリクに問う。
その言葉はあくまで冷静に事を考えて出したものだった。

しかしマリクは、そんな事は気にしないかの様に…否、寧ろ面白そうに笑う。

「クク…さぁねぇ?…まぁ、今頃オレ達を見て何を考えているか…ヤツぁ随分と貴様にご執心の様子だったからなァ…」

そう言いながらマリクは唇から顎、喉へと舌を這わせていくと、更に舌を服の上に滑らせた。

布を通して肌にかかるマリクの息が、海馬の燻る躯に熱を与える。
海馬にマリクを突き放す気は無かった。
いや、無意識に躯が求め始めているのか…。

マリクは唇と共に手を躯に這わせ、それらはそのまま海馬の中心たる部分まで下りていった。
流れる様な手つきでベルトを外し、熱を帯はじめた海馬自身を取り出すと先端に舌を這わせる。

ひと舐め毎に溢れる唾液が絡まり、水音をたて始める。

恍惚の表情でその行為を続けるマリクの姿を見下ろし、海馬は心にチリチリと何かが沸き立つのを感じていた。




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