3.
唇を離すと一筋の透明な線が宙に引かれ、2人は名残惜しそうに舌先を軽く絡ませる。
城之内はそのまま、唾液の筋に導かれる様にマリクの口端から顎、喉元へと舌を這わせた。
その間にもマリクの吐息が耳にかかり、その肌に触れる度に甘い薫りが城之内を酔わせていく。
マリクは誘う様に躯を後ろへ引き、噴水の縁に腰を下ろした。
水面に反射する月明かりが逆光となってマリクを照らし、まるで陽炎の様に揺らめく。
その姿に引き込まれる様に瞼へ、頬へと唇を落としながら手を上着の下に滑り込ませる。
高めの体温を持つマリクの肌は、しっとり、と指先に吸い付いてきた。
柔らかなその感触に、城之内の熱が更に高まっていく。
指先が軽く胸の先端に触れた。
「っぁ…っ」
消え入る様な、小さな声がマリクの口から零れる。
その声に刺激され、城之内は上着をめくり上げると胸元に舌を這わせた。
マリクの躯がピクリと反応する。
「っは…ぅん…っ」
胸の突起を舌先で転がされ、きつく吸われる度にマリクが次第に息を弾ませ出す。
城之内は更に胸元を愛撫しながら、片方の手を下腹部に下ろしていった。
ベルトを外し奥へと手を伸ばすと、既に熱を帯びたマリク自身が指に触れる。
マリクも自分と同じ様に興奮している、自分の行為に躯を反応させる程に…。
そう思うと、城之内の心臓は益々激しく脈打ち出した。
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