5.


 ━私は今、
  何をしているの…?━

次の瞬間、自らの中心に異物を感じ、はたと我に還った。が、その時は既に遅く、マリクはイシズの腰に手をそえ浮かすと、熱く形を成した自らをイシズの中におし進めてきた。

「!っぁ…ぁ…っ」

声にならない声をあげ必死にマリクの身を押しのけようとしたが、マリクはかまわず侵入してくる。

「最高だよ…姉上サマ…」

マリクは息を荒くしながら、更に中を掻き乱した。先程の愛撫で濡れそぼったイシズの中は、マリクを飲み込み自らの意思とは関係無しに締め上げていく。

部屋には2人の荒い息遣いと、結合部の湿った音だけが響いていた。


全ての感覚が中心に集中し、躯が熱く震えてくる…。
目の前には、弟の顔を持つ悪魔が淫猥な笑みを浮かべ、自らの躯を犯している。そして、その行為を受入れ快感を貧っている自分の躯…。


何という光景か…!


イシズは、どうしようもない絶望感と焦燥感に襲われた。

その時。


「姉さん…!」


目の前の男から弟の影が浮かび、自分を呼ぶ声が聞こえたのだ。

…それは、
とても悲しい叫び声…。




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