6.


 「あぁ…っ」

イシズは低く呻いた。


 私は…


 一族の掟の前に、


 父の威厳の前に、


 唯々無力だった。





 弟の笑顔を守れ無かった私…


 私は…

  どうすればよかったのか?



薄れゆく意識の中、マリクの顔が鮮明に浮かぶ。



 これが、私に与えられた罰…


 それほどまでに、
  私の罪は深いのですね…




 ファラオ…!







イシズの意識は、そのまま漆黒の闇に沈んでいった…。








[END]




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