4.
「…フフ…何だ、姉上サマ…感じているんじゃないか…」
そう言うと、マリクは笑いながらイシズの顔前に指を広げた。
「しっかり、濡れてるぜ…?」
ククク…と嘲る様に笑い、濡れた指先を口元に擦りつけてくる。
イシズは顔に血が昇ってくるのを感じた。
許されざる相手を目の前に…弟の身体で愛撫を受け、その行為に少しでも快感を感じている自分の躯が、ひたすらに恥ずかしく情けなかった。思わず涙が溢れてくる。
「ああ…いいよ、姉上サマ…その表情…益々壊してやりたくなるね…」
マリクは、恍惚の表情で呻くと足の間に顔を埋めてきた。
淫猥な水音をたて中心に舌を這わす。その音が耳に響き、脳内にこだまする。イシズは涙を流しながら、しかしマリクの行為に答える様に息を荒くして、泣き入りそうな喘ぎ声を漏らした。
「っは…ぁっ…んっん…もっ…もう…やめ…て…お願い…っ」
必死に懇願してみたが、うまく言葉にならない。それどころか、その声はマリクを一層高ぶらせ、益々愛撫が激しくなってくる。
イシズの躯がビクンと跳ね上がった。
「クク…ずいぶんと良くなってきたんじゃぁないか…?姉上サマよぉ…」
マリクは自らの唾液と、イシズから溢れる液で口元を汚した顔をイシズの顔に近づけ、また嘲る様な笑みを見せると口づけてきた。
イシズにはもう、はむかう力も残っておらず、ただ呆然とする意識の中マリクに口腔を犯される。
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