4.


その表情は淫靡で、美しく、魔獣の色香が漂っている。

まるで、闇へ引き込まれそうな……。

と、マリクは乃亜を自らの口内に誘い込み啜り上げ始めた。
激しく、舌を動かす。

「やっ…ぅっあ…あ…ああっっ…あああっ」

乃亜の下肢は激しい衝撃に襲われた。
背を後ろに反らし、躯がビクビクッと痙攣を起こすと、マリクの口内へ熱が放たれる。

「っは…っはぁ…っ」

未だ乃亜自身を含んだまま、熱を味わう様に啜るマリクの感触と、欲望を解放してしまった余韻で躯を微かに痙攣させながら、乃亜は椅子の背もたれに身を預けていた。

急に悔しさが込み上げてきて、目に涙が溢れる。

(何で…こんな…っ)

快感と悔しさ。
零れ落ちる涙を必死に隠そうとするが、すぐにマリクは顎を掴み乃亜の目の前で嘲笑う。

「お前の様なガキでも気持ちいい事はちゃあんとわかるんだな。随分とたくさん出したもんだ。自分を味わってみるか…?」

マリクの唇からは乃亜が見た事もない白い粘液が覗く。
不気味な笑みを浮かべながら、マリクは乃亜の口に白い粘液を口移しで味あわせた。

「…っ!がほっ!」

(…苦い…)

しかし、それが乃亜にはもう快感に変わり始めていた。
乃亜は立ち上がり、マリクを座らせ、その前に静かに膝まづいた。
乃亜の鼓動はどんどん高鳴っていく。




〔前頁〕〔次頁〕


〔目次〕
〔携帯TOP〕
〔TOP〕