3.


「っく…ぅ…ぁっ」

目をぎゅっと閉じ、躯を丸める様にまえのめりすると、顔がマリクの肩に当たる。
マリクはその姿を満足そうに見ると、ズボンの中に手を滑らせ直接乃亜自身に触れた。

「やぁっ…は…ぅっ」

思わず声が高くなり、心臓が激しく脈うつ。
自身に与えられる手の動きが、少しづつ快感になり…乃亜は自分が自分でなくなる様な恐怖に襲われた。

(…誰か…助けて)

ふと瞼を開けると、宙に浮かぶ画面から1人の男の姿が目に飛び込んできた。

(…瀬人…)

乃亜は慌てて目を閉じ頭を振る。

(違う…っ、ボクは…瀬人なんかに助けを求めたんじゃない…っ)


しかし、瞼の裏にその姿が焼き付いて離れない…。


 違う!
 絶対に違うっ!


必死に脳裏の映像を掻き消そうとした瞬間。
下肢が味わった事のない感触と、快楽に襲われ、躯が跳ねる様に奮えた。

視線を下ろすと…既に熱を帯び形を成している自身へ、旨そうに舌を這わすマリクの顔が目に映る。
                



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