5.
「何だ…お返しのつもりかぁ?…どうせなら気持ちよくしてもらいたいが…な」
椅子に浅く腰掛けたマリクは、鼻であしらいながら誇張した自身を膝まづいた乃亜の顔の前に出してみせた。
乃亜は少し震えながらマリク自身に触れる。
(…瀬人も…同じなのかな…。いや、瀬人は関係ないっ!)
頭を揺すりながら瀬人をかき消す。
そして、マリク自身をゆっくりと扱きながら序々に顔を下肢に沈めていく。
舌を這わせながら、少しずつ。
(熱い…これでこいつは感じているのか?)
乃亜は、声ひとつあげずにいるマリクに、先刻を思い出しながら、舌を這わす。
マリクは薄ら笑いを静かに浮かべながら、黙って乃亜の奉仕を見つめていたが、いきなり乃亜を振り解き、立ち上がる。
「悪くはない。…が…これではもの足りないな…」
マリクはそう言うと、乃亜の服を無理矢理脱がせようとするが、乃亜は抵抗もせず服を脱いでいく。
マリクは驚いたが、すぐに獲物を見つけた肉食獣の様な目つきに変わり、唇に舌を這わせる。
薄ら笑いを浮かべたマリクが、乃亜を膝まづかせ、そのまま椅子に躯を預けさせる。
白い乃亜の躯をマリクの指と舌が犯してゆく。
水音を立てながらゆっくり首筋や耳、背中を這う舌、胸の突起の快感を確実に捕える指先、そしてマリクの体温と鼓動…。
乃亜の躯は快感に痺れ、少し前に放熱した事など忘れたように、自身を再び誇張させていく。
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