7.


そのまま、暫くウトウトとしていた遊戯の耳にドアの開けられる音が聞こえた。

…飲物か何か持ってきたのか?などとぼんやり考えたが、程よい睡魔の間を揺れている遊戯は身体をそのまま横たえていた。

足音が近づく。
不意にベッドが軋み何かが上に覆い被さった感じがした。

「…?」

重い瞼を開けながら、顔を上にあげると…目の前には海馬が居た。

「…何してるんだ?」

遊戯の問いには答えず海馬は顔を近付けてきた。
石鹸の匂いが鼻をくすぐる。
海馬の髪は、少し濡れている感じだった。

…ああ…
海馬もフロに入ったのか…

ぼんやりとした頭で考えていた遊戯の目が、ハッと覚めた。

海馬は遊戯に口づけていたのである。
海馬の唇から舌が伸び、遊戯の唇をなぞる。
遊戯は慌てて海馬を押しのけた。

「ちょっとまて!何する気だ!?海馬!」

「フ…ベッドの上でする事と言ったら、1つしか無いだろう?」
海馬が不敵に笑う。

「いや、そうじゃなくて…っな?」

再び顔を近付ける海馬を避ける様に身をよじりながら、遊戯は夕食の事を思い出した。

あの時───
自分は勧められて断ったが、海馬はワインを呑んでなかったか…?

「っ…ちょっ…か、海馬っ!お前…酔ってるのかっ?」

馬乗りされ動きづらい状態のまま、逃げようとする遊戯の肩がグイと押さえ込まれた。




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