14.
リシドは誘われる様に、マリクの律動に合わせ自らの猛りを突き上げ始めた。
「ひッ…ぐ…ぁッ!!」
マリクは悲鳴を上げながらも、ぎちぎちとリシドを締め付ける。
その入口から朱い鮮血が零れ出し、リシドの猛りに絡み付き淫猥な水音がたち始めた。
鉄分を含んだ体液の匂いが辺りに立ち込める。
その匂いは鼻腔を刺激し、二人は、ただ一心にお互いを貧り合った。
ズキズキと、マリクの全身に響く痛みは鼓動と交ざり合い、その鼓動は内部を突き上げてくるリシドの脈動と絡み、焼け焦がす様な熱を生み出す。
燃える様に熱く、頭が真っ白になっていく感覚。
焦点も定まらず、頭を揺らす。
まるで…溺れていくような息苦しさ…。
「っ…は…ぁッ…。ィ…イよッ、っ最高に…ッ!っリ…シド…ぉッッ」
半開きの口から歓喜の声を漏らし、マリクはリシドの首にまわした指へ浚に力を入れた。
「っぐ…ぅッ」
ぎりぎりの呼吸を塞がれ、リシドの口から呻き声が漏れる。
「ッこのまま…死んだら…ぁ…最高に…イケると、思わないかぁッ?…ッなぁ?リシド…っ」
虚ろな瞳でリシドの顔を覗き込むと、マリクは指の力を少し緩めた。
「っッかはッ…ッゲホ…ッッ」
急に肺に空気が戻され、リシドはむせる様に咳込む。
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