8.


しかし、リシドはそれを拒否するかの様にマリクの手を振りほどいた。

「いい加減になさって下さい、マリク様。
まだお身体の調子も戻って無いんですよ?」

なだめる様に、そう告げるとマリクの身体をベッドの方へ押し戻そうとする。

と同時にマリクに腕を引っ張られ、リシドの方がベッドに倒れ込んだ。

慌てて身体を仰向け、起こそうとするリシドの上にマリクが覆いかぶさる。


「身体なんて、とっくに治ってんだよ…リシド」

そう言うと、ニヤリと笑いリシドの体に手を這わせ出した。

「三ヶ月もご無沙汰だったんじゃ、お前も随分溜まってんだろ…?」

マリクの手はリシドの腹部から、浚に下へとゆっくり下りていく。


「それとも…
自分でヤッてたのかねぇ?…オレの寝顔でも見ながら…クククッ」

からかう様に笑いながら、マリクの手はリシドの中心を撫で上げた。

「ッ何をばかな…事をッ」

マリクの言葉を否定していたリシドだが、布の上から執拗に自身を責め立てるその指先に、次第に躯が反応し始めていた。

「ふぅん…。まぁ、どっちでもイイけどな」

ニヤリ、と顔を歪ませるとマリクはそのまま、リシドのズボンの中に手を滑らせる。

「こっちの方は準備が出来てるみたいだゼ?」
と言うと同時に、先端に軽く爪を立てた。


「ッ…ぁッ!」

リシドの口から、抑えきれずに声が漏れる。

必死に耐えようとするその姿を面白そうに見下ろしながら、マリクはズボンの中のリシド自身を扱きはじめた。

「っぁッッ!!…っやッ…、やめ…て下さッ…ぃっ!」

突然与えられた自身への強い刺激に、躯がビクリと反応する。

しかし、リシドは精一杯の力でマリクの手を振りほどいた。


その手は濡れ、月明かりに照らされ妖しく光る。


マリクは自身の指に滴る、その透明な液体をチロリ、と舌で掬うとリシドに見せ付ける様に糸を引いた。


「こんな状態でヤメてイイのかぁ?」


そのまま手をリシドの眼前にかざすと、その頬に濡れた指を擦りつける。




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