5.
「ちょっとまて…、まさか貴様がオレの相手になるというのか?」
「あっ…そうか…」
そういうと遊戯の表情はフッと変わり、もう1人の遊戯が現れる。
「海馬!オレの相棒を愚弄する様な言葉は許せないぜ!!」
「フン…これから始まるデュエルが、奴ごときにつとまるかどうか…」
不敵に笑う海馬に、遊戯は一抹の不安を感じた。
「だいたい、何でコレが大会賞品なんだ?…誰が優勝してもコレだったのか?」
と海馬に問い詰める。
「何だ…来てほしくない奴でも居るのか?ククク…」
からかう様に笑う海馬の言葉に遊戯は思わず動揺したが、すぐに気を取り直した。
「ふざけるな!ほらデュエルするんだろ?!」
「ああ…」
海馬は満足気に頷くとデッキのシャッフルを始めた。
∞ ∞ ∞
数時間後…
窓の外は既に暗くなっていたが、明かりのついた部屋では遊戯と海馬のデュエルが続いていた。
「ブラック・マジシャンの攻撃…これてオレの勝ちだぜ?」
「ああ…」
2人は深い溜息をついた。
遊戯が部屋の壁に掛けられた時計に目をやると、針は8時近くを指していた。
朝10時過ぎからデュエルを始めたので、10時間近くデュエルをしていた事になる。
途中メイドが昼食にとサンドウィッチを持ってきたが、それも食べながらのデュエルで殆ど休みなしだ。 結果は遊戯が10勝、海馬が7勝…計17回のデュエルをした事になる。
「さすがに疲れるな」
遊戯が口を開いた。
が海馬は何かを考えている様子で返事がない。
「…海馬?」
「ん?…ああ、そうだな。フム…では、そろそろ夕食にするか」
と言うと、メイドが海馬の傍にやってきた。
「お食事の準備、出来ております」
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