4.


「お前は…他に自分のやりたい事を見つけた方がイイ。
…いつまでも…ボクの世話ばかりじゃ、家族とは言えないだろ…?」


鼓動が苦しい程に早くなり、耳に響く。


ボクは間をあけず、立て続けに喋った。

「っ別に、世話されたくないとかじゃ…無いんだ…けど…。
ほら、ボクの事ばかりじゃなくてさ…っ、お前にも……自分の幸せ…見つけて貰いたいし……」


段々と語尾が小さく、かすれていく。

沈黙が恐くて、リシドの腕を掴んだままキツく目を閉じる。


「マリク様は…」


リシドが静かに話始めた。


「マリク様は、私がお傍に居るのは迷惑ですか…?」


っ…!!

違うっ…!


ボクは勢いよく振り返って、リシドの言葉を否定した。

「違うっ!そんな事無い!!有り得ないっ!
…ッ…ううん…違う、違うんだよ…リシド」

リシドの服を掴んだまま、必死で否定する。



苦しい……

お前を想う程に。





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