6.
「…ッ!?」
先端の濡れたヤツの自身が、ボクの中心に押し当てられていた。
そのまま、自身の先端を擦りつけてくる。
「ッン……ッぁ…」
耳に響く、微かな水音と、中心から感じる熱に…再び快楽が襲う。
「…リシドだってそうだろぅ…?」
自身の先端でボクの中心へ愛撫を続け、快楽に酔いしれた恍惚の表情のまま、呻く様な声を上げた。
「貴様は、知っていた…」
言葉が、波のように押し寄せてくる。
「父上サマに、息子と認めて貰いたい……奴の頭ン中はソレでいっぱい…」
…どくん…
「あの刻印だって、貴様の為じゃねぇ……テメェの存在をアピールする為だ…ッ」
躯が、あつい…
目の前を、過ぎる…過去の記憶…
『イシュタール様を、父と呼ばせて下さい』
そう。判っていたよ…
それでもボクは…僅かな繋がりを求めて…
『この傷で…あなたと…あなたの一族に忠誠を誓わせて下さい』
違う。
そうじゃない、そうじゃないんだ…
『…あなたと…』
『あなたの一族に』
『あなたと』
『あなたの一族に』
『あなた』
『あなたの一族』
『…の一族…』
『一族』
『あなたの』
『父と』
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