9.


呼吸を整えていると、キースに咥えられてイったという現実が頭に浮かび上がり、恥ずかしさで顔が火照ってきた。

このまま気を失いたいくらいだ。

と不意に、キースの顔が目の前に近づいてきた。

「?…!?ッン…ッ!」

突然、口づけてきたかと思うと、口の中にドロリとした液体が流れ込んできた。

ぅう…っ、まさか…
そう。
今出したばかりの自分の熱だ。

き、気持ち悪ぃ〜!
マズっ…マズいって!

「っんン…ック…ム…ッッ…!!」

抵抗空しく舌を押さえられ、喉に粘液が流れ込んでいく。

「ッかはっ…ゲ、ゲホッ…ゲホ…ッ」

唇が離れると同時に、噎せる様に咳込む。

「ど〜だ?自分の味は…?中々旨いだろぅ」

嘲笑う様なキースの問い掛けに、カッとなったオレは咳込んで涙目になったままの顔で、キースを睨んだ。

「う、旨いわきゃねーだろっ!!いい加減にしろよっ」

怒鳴ったつもりだったが、出てきた声は弱々しかった。

なんて情けない声を出したもんだ…。

予想以上に弱りきった自分が情けなくなってくる。

「そーか、そーか。まずかったか」

ニヤリ。と笑うとキースはベットから降り、備え付けのグラスに氷を容れ始めた。

ポケットから小ビンを取り出し、グラスに褐色の液体が注がれる。


…何してんだ…?




〔前頁〕〔次頁〕


〔目次〕
〔携帯TOP〕
〔TOP〕