6.


マリクは喉の音を立てそれを飲み干すと、更に誇張を続けるリシド自身に舌を這わせた。

全体を一通り舐めまわすと再び躯をリシドの下に滑らせ、顔を向かい合う位置に戻す。

「なかなか素直な躯じゃぁないか…」

からかう様なマリクの言葉に、思わず目を逸らす。
そんなリシドの首に腕をまわすと、マリクは顔を自らの方に引き寄せた。

「いつもより、良かったんじゃないのかぁ…?ククク…」

「な…っ!」 焦りの色を見せ、何かを言おうとしたリシドの唇を、マリクの唇が塞ぐ。


口腔にマリクの口内に残った、自らの熱の味が広がる。
その味とマリクの舌の動きが、リシドの躯を支配していく…。


「次はお前の番だよ…リシド…」

マリクの声が耳に絡み付く。
リシドは夢遊病者の様な虚な表情のまま、手をマリクの躯に這わせた。
服をめくり直接肌に触れると、熱の為にかいた汗でしっとりと手が張り付く。

胸元に唇を落とす。

幾度となく触れてきた筈の躯が、まるで別物の様に感じられる。

それなのに…一度触れると離れがたくなる。


更に、声を聞きたくなる。





〔前頁〕〔次頁〕


〔目次〕
〔携帯TOP〕
〔TOP〕