1.


その日、ボクの元に一つの情報が届いた。
吉報と言っても良い。

千年パズルの行方が判ったのだ。
日本という島国。
武藤遊戯という少年が既にパズルを完成させている、という話しだった。

つまり、ファラオの魂は甦っている…という事だ。


溢れる感情を抑えながら、手にした千年錫杖に目をやる。



ファラオ…!



全身が総毛立つ様な感覚。

握られた手の平が汗ばむ。

鼓動は高まり身体の震えが止まらない。

息も出来ない程に込み上げてくる念い。


怒り。

憎しみ。


遂にこの時が来たのか…
憎きファラオの魂に、三千年の復讐を果たす時が…!






その夜、ボクは熱を出した。





〔前頁〕〔次頁〕


〔目次〕
〔携帯TOP〕
〔TOP〕