8.
「っは…なせ、よッ!!」
マリクは必死で顔を後に向け、バクラを睨み据えた。
が、バクラはマリクの背中を真剣に眺めたまま、口端をニヤリと緩ませる。
「なるほど…。これが千年アイテムに隠された秘密ってやつか」
「何の事だッ、それは…ッお前には、関係ない…!」
思わず声を荒げたマリクの様子に、バクラは喉を鳴らし、ククッ…と笑い声を零した。
「流石に、何を書いてるかは読めないが…オレ様を甘くみてもらっちゃ困るね」
ニヤニヤと笑いながら、そう言うと指先で刻印をなぞる。
その指が、ぴたりと止まった。
「そう…か…。お前、墓守りの一族だな?」
バクラの言葉に、マリクの全身が強張った。
「な…ぜ…、それを…ッ」
「ふ…ッ。ダテに長く生きちゃいねぇんだよ。
細かいトコは知らねぇが…他にも…お前以外に、墓守りの一族ってヤツと遭った事があるんだぜ?」
マリクには、それが誰の事を指すか、など見当もつかなかった。
しかし、この男が何を、どこまで知っているのか…という焦りで、嫌な気分が沸き上がる。
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