10.


軽く、息を飲み込み呼吸を整える。

「貴方は…どちらが宜しいんですか?」


リシドの言葉に、マリクは軽く驚いた表情を見せたがスグに、ニヤリと顔を歪ませる。

「それじゃぁ…自分でヤッてもらおうか?
…もちろん今、ここで、だ」

ペロリ、と舌なめずりをすると、マリクはリシドの躯から離れた。


リシドはゆっくり起き上がると、そのまま足を半開き片膝を立てた。

その中心には、ヒクヒクと脈打ち存在を主張するかの様にそそり立つリシド自身の姿がある。

深く息を吐くと、リシドは片手で自身を握り絞めた。


「ッ…っク」

低く、息を殺す様な呻き声を漏らし瞼を閉じる。

と、顎を捕まれ軽く上を向かされた。

「おいおい…ちゃんとコッチを向いてヤッてくれよ。オレを視ながら、だ」

嘲笑うマリクの顔が近づきリシドの口端を軽く舐め上げる。

顔に血が上り、カタカタと全身に奮えが走る。

その奮えを抑える様に、手にキツく力を入れるとリシドはマリクと目を合わせたまま、ゆっくりと自身を摩り始めた。


もう片方の手で濡れた先端を擦り、自らの手で自身全体を刺激する。


「ッ…は…ッっク…ッ」


己の痴態というべき行為と、それを見られているという羞恥心がさらに感度を上げ、少しずつ息遣いが荒くなる。





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