8.


…どくん…



擦れ合う内壁から、ボクの中に流れ込んでくる。

…これは…闇に溺れた快楽の熱?


違う。


怒り、憎しみ…孤独。

全ての負の感情がボクの中を満たし、溢れだす。

ドロドロとしたマグマの様に、熱く、全身が焼き尽くされそうな…魂の叫び───。


「ッ…ごめ…ん…」


ボクは涙を流しながら、無意識にヤツの頬に触れた。


「ッはぁ!?…一体ナンのつもり…ッ…」

両手で顔を引き寄せ、唇を重ねる。

「ッ……!」

唇から、擦れ合う粘膜から…いや、触れている全ての箇所から、お互いの意識が流れ混ざり合っていく。


──ッごめん…


ボクは…こんな『想い』をお前に押し付けたまま、現実から目を逸らしていたのか…


…何を言っている?


ボクが何も知らずに過ごした6年間…お前は一人でこの『想い』を抱え、闇の中に…


…ッ黙れ…!
何を勘違いしてるか知らねぇが…テメェの闇は、最高に居心地がよかったぜぇっ…?


でも、孤独だった…


…ッうるせぇっ!!


誰かに、気付いて欲しかった…


…ッ…ヤメ…ろっ!


光を欲していた…


…違…う…ッ!!



誰よりも、同じ想いだったのに…ボクは…





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