15.


引き抜かれたと同時に、入口からバクラの放った熱が溢れ出し太股に伝う。


未だ内部に残る異物感…


その感覚の全てが、今までの行為を蘇らせ嫌悪感が湧き上がる。


マリクは必死に身体を起こすとバクラを睨み据えた。

「ッよ…くも、コンナ…ッッ!
僕に…こんな事…をして、ッただで済むと思うなよ!!」

悔しさで顔を引き攣らせながら、罵声を浴びせるマリクの顎を掴むと、バクラは淫猥な笑みを浮かべる。

「クク…ッ、嫌がってたわりにゃぁ、ヒィヒィよがってたぜ?」

その言葉にカッとなったマリクは、勢いよく手を上げバクラの頬を叩いた。


バチン、と乾いた音が響く。


「ぉお、怖い怖い。
なかなか気の強いお嬢ちゃんだな」

皮肉めいた口調でそう言いながら、バクラは叩かれた頬をさすりニヤつく。


「ま、充分楽しませてもらったからな…。
約束通り、オレの宿主サマは貸してやるよ」



クク…と笑いながら、バクラはポケットからナイフを取り出した。


「せいぜい頑張って…復讐とやらを、成功させてくれよ?

…ヒャハハハハ…ッ!」




薄暗い路地裏に、バクラの笑い声だけが響く。






──ミレニアムバトルはまだ…

始まったばかり──




   [END]





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