19.


「それならばせめて…、
少しでも…貴方と向き合うしか、私には出来ない」


そう言うと、リシドはマリク自身を手で愛撫しながら…
未だマリクの内に収めたままの自らの猛りを、少しづつ律動させ始めた。


「ッく…、っあ…ぅッ!」


再び全身を襲う痛みに、マリクは呻き、躯を痙攣させた。


その痛みの箇所から、じわじわと熱が広がってくる。



  熱い…



  燃える様に……。




頭が真っ白になる。




マリクは熱にうかされた様に、何も考えられなくなっていた。


ただ、その目には涙が溢れ…


目の前のリシドの姿が、ゆらゆらと揺れ始める。




  ああ…、リ…シド…。



  …イ…イよ……




そのまま、熱に身を任せ、マリクは達すると同時に意識を失った。





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