18.


リシドの手の温かさに、マリクの躯がビクリと反応する。


「それでも」


手は背中の刻印をゆっくりとなぞりながら…
リシドは、そのままマリクの背をベッドへ倒した。


「…イシュタール様の事を思えば…、私の、この想いは罪深いもの…かも…しれない…

それでも…。

私にとって…今、この想いは…真実なのです…」



  貴方が…愛おしい。


  狂おしい程に。



それは…


憎しみから生まれた心なのか。



「あの時…

貴方が、私達を光りへと導いて下さったと…思っています」





そこに闇が在るからこそ。



光りの路が見える…





「今度は私が…貴方を開放して差し上げたい。
でも、方法が判らないのです…」

リシドは寂しそうに微笑むと、片方の手を、マリクの猛ったままの中心へ滑らせた。





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