10.


愚かで憐れな…愛おしいボクの闇…


…一緒に生こう…


大丈夫。
ボクらは、1人じゃない。


あの光の先に、待っている人が居るから。


…そんな奴は居ねぇよ


居るよ。
ボク達には『彼』が必要で…


…必要じゃない


『彼』はボク達を必要としてくれる。



…要らな…い…



お前にはもう、判っているはずだよ…




お互いの意識が混ざり合う中で、鮮明に映し出された人物の姿が、2人の内側から温かな熱となって溢れだす。


そう…
こんなにも、ボク達は彼を想っているんだ───



……ぁあ………




  「『…リ…シド…』」




闇と、渦巻く光の中…

ボク達は1つになった。




[END]





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